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学校組織内の相談先の活用法~味方を探そう!⑧~

この記事は「読み書きに課題を感じたら~誰にどのように相談をすればよいのか」のSTEP1「学校組織内の相談先」についての内容となります。

今回は⑧の特別支援学校のセンター的機能をご紹介します。

⑧特別支援学校のセンター的機能
 学校内でLDについての相談や対応の検討をお願いしても、詳しい人がいないので特に何もできません、などと言われることもありました。実際問題、LDのことを詳しく熱心に取り組んでいただいている教員の方々はまだ少数なのかもしれませんし、教員の皆さん全員にLDのことに詳しくなっていただくことは難しいでしょう。
そういったときに専門家をどんどん活用していただけたらいいのではないかと思っています。
LDの対応ができる言語聴覚士作業療法士の方が学校に入ってきていただけたら一番いいとは思うのですが、そこまでの予算配布と人材の確保はなかなか難しいというのか現状です。

そこで、文科省や東京都が推奨している機能が、この特別支援学校のセンター的機能です。
2023年3月に行われた通級についての検討会議の報告案の中にも活用するように記載されています。

この特別支援学校のセンター的機能とは何かというと、
特別支援学校の先生が、担当地域の学校で巡回相談に応じたり、教員の皆さんへのアドバイスや研修会を実施したりしてくれます。
LDにはあまり対応しないのではないか、という話もちらほら聞きますが、問い合わせてみたところ、やっているとのご回答をいただき、見にきてもらったことがあります。
(何事も問い合わせをしてみないと需要があることが伝わらないと思っているので、皆さんも問い合わせをぜひされてみてはいかがでしょうか)

まず、自分の地域の担当の特別支援学校を確認し、HPで確認してみるとよいかもしれません。

東京都立城東特別支援学校のセンター的機能の説明の一部を以下にご紹介します。

1 事業内容

(1)巡回相談 発達障害や知的障害のお子さん、在籍学級で気になるお子さんの理解や支援方法等について、 先  生方からの相談に応じます。学校や園での授業の様子を拝見した後、後日のケース会議で一緒 に検討することもできます。

(2)研修会への協力 特別支援教育をテーマにした研修会に講師を派遣いたします。園・校内研修会や、地域における学習会等の際に招聘してください。

(3)出前授業 小・中学校に特別支援教育コーディネーターを派遣し、障害理解のための授業を行います。副籍 交流や学校間交流の事前学習としても御活用ください。

http://www.joto-sh.metro.tokyo.jp/site/zen/page_0000000_00088.html

地域によっては直接、特別支援学校で相談ができるところもあるようです。また、検査などもしてもらえる場合もあるようですので、一度お問い合わせをされてみるといいかもしれません。

学校内のルールや校長の考え一つで支援の方針が偏ってしまう場合もあると思います。
そういった時にこの第三者的立場であり、でも公的で学校という同じ組織の方に来ていただきアドバイスをもらえると、支援の突破口となる場合があります。

ただし、課題なのは、自治体によるのかもしれないのですが、依頼をするのはあくまでも在籍学校となるため、学校側が依頼を渋るとなかなか来ていただけないという点です。プッシュ型で毎年最低3回は学校訪問をする、などといったことになればもっと活用しやすくなのではないかと思っています。

また、このHP全体を通して同じことを言い続けることにはなるのですが、状況は地域、学校、担当者によって異なります。私の地域の中でも受け入れの学校により対応が違うのを見聞きしていますので、それぞれの地域や学校での実情の情報収集をしつつ、LDの需要があることを各担当者に伝え続ける必要があると思います。

この3月の文科省の報告に活用するよう記載されたということもあるので、今後はもっと身近に活用されていくことを期待します。


(M)


参考に文科省の資料のページもご紹介しておきます。

STEP1 学校組織内での相談相手

①担任の先生
②スクールカウンセラー
③特別支援コーディネーター
④養護教諭
⑤通級(特別支援教室・ことばの教室
⑥発達アドバイザーなど自治体独自の特別支援に関する専門相談員
⑦スクールソーシャルワーカー
⑧特別支援学校のセンター的機能
⑨管理職
⑩教育委員会

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