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LDっ子の受験報告#11 うたたね家の中学受験 ~砂上の楼閣突貫工事親塾ヤマカケ受験③~  byうたたね

『LDっ子の受験報告』は、LDのある子ども達の受験体験談をご紹介するコーナーです。合理的配慮のコーナーで載せきれない、さまざまな方の受験までの道のりをご紹介していければと思っています。

うたたね家の中学受験についての報告、前回の記事はこちら

目次

志望校探し

さて、小6から砂上の楼閣突貫工事受験中の「うたたね家」。

勉強と並行して志望校探しを始めました。

学校情報の集め方は、通塾されている方や、早くから中受の準備をしている方には当たり前のことばかりかもしれませんが、改めてメモ書き程度にお付き合いください。

ちなみに当時は、LD仲間などもおらず、Xもやっていませんでした。

ノー中受塾うたたね家の学校情報の集め方

STEP
学校情報についてまとめてある本を購入

ボリュゾ下中学がたくさん載っている本を選んで買ったのがポイント。本によっては上位校のみでボリュゾ下校は載っていなかったりします。

STEP
地域や習い事で親交のある受験を終えた先輩ママ友などから私立中の話や近隣の学校の話を聞いた

良くも悪くも玉石混合です。実際に通っているお子さんのタイプによって親が受ける印象も変わるので、あくまでも参考に、鵜呑みにしないこと。でも進級要件や校風はなんとなくわかります。

特に、自分の地域ではどこまでが通学域なのかは、この時によくわかりました。

通学圏外と思っていた学校が思いがけず乗り換えの便利さで通学可能だと知ることができたり、逆に近いと思っていたけども朝の授業開始時間と乗り換えの大変さで避けた方がいい学校なども知ることが出来たりしました。

STEP
息子が通っている療育や習い事の先生に、わが子と似た子が進学した私立中を伺う

習い事の先生たちは診断がついてなくともわが子の特性をだいたい理解してくれていたので、偏差値は別にして、特性の似ている子が通っている学校を数校おしえていただけました。最初のとっかかりとして、これが大変たすかりました。

STEP
合同説明会に行く

我が家は6年スタートの受験だったので何も知らない中、まずは合同説明会で学校を探しました。

合同説明会は4・5・6月に行われることが多く、予約は前年3月に終わっていたこともあり、行きたい合同説明会に出席できなかったり、塾に行ってないので情報がはいらず申し込み期間をすぎてしまったり…ということがありました。

重ねてそのころはコロナ禍すさまじく、合同説明会だけではなく、学校の説明会などすべてに予約が必要で、しかも少人数。抽選もあり、本当になかなか予約が取れませんでした。

文化祭もzoomなどだけ、授業の様子も非公開など、見学したくてもそもそもその機会を設けていない学校も多数で、実際の見学もあまりできませんでした。

合同説明会は、キャンセル拾いなどをしてとりあえず周り、主人と手分けして、ふた会場を同一日に行くこともありました。

予約がとれたら事前に合同説明会の来場校を調べ、偏差値を全てメモに書き込んで、偏差値の低いところからとにかく回って、どんなところでも資料をもらっていく。その際に会場で個別相談ができれば、正直に6年からの受験ということ、塾にいってないこと、大体の偏差値帯などを話してみて親身になってくれたところをチェック。そして帰宅後にもらった資料をもとに本屋とインターネットなどで調べ、学校の紹介動画なども見て学校を研究し、いいなと思うところがあれば、学校説明会を申し込む。

この時、コロナ禍で直接見る機会が少なかったので、たとえ親だけ会や部活だけ見学枠しか予約がとれなくとも、とりあえず現地に行くように努めました。

STEP
学校説明会へ行く

学校説明会は、まず親が単身で行って、話を聞いて大丈夫だと思った学校にのみ息子をつれていくようにしました。

息子は診断もなく配慮実績もないので、配慮重視の志望校というより、親からみてわが子に合っていそうな学校と、息子自身が楽しく通えそうと感じられる学校を主に選んでいきました。

また、説明会に参加したあとは、

・個別相談を毎回必ず希望して面談する。

・参加後のアンケートは毎回きちんと書く。

と決めて、いいなと思った学校の説明会は何回も足を運びました。

個別面談で聞いたこと

個別相談では、特性のことは言わずとも、

・6年からの受験で中受塾に行っていないこと。

・親が教えていること。

を正直に全部学校に伝えて相談していました。

受けようとしていたボリュゾ下中学はみなさん親身になってポイントや勉強の仕方などご対応いただけることが多かったです。

過去問のなかで答えのみ記載で解けないところを個別相談の時に解き方を伺うことも多く、その時の先生方の態度なども参考にしました。

数校は何度も学校見学に通っていたので、何度か通っているうちに、覚えていただき、最後は模試などを見せてアドバイスをもらったり試験当日の併願の組み方について教えてもらったりする学校もありました。

また、

・授業でどれくらいPCをつかっているのかデジタルツールについて等。

・手書きの割合、進級要件、退学の人数、理由。

・宿題の量、成績が悪いときのフォロー体制。

・答案について(漢字のとめはらい、字のきたなさについて)

・中1の英語について。小学校英語を既に取得済みとして中学英語がはじまるのか。フォロー等

・いじめや人間関係のトラブルついて、おこったらどう対処しているか。

を聞いていました。

配慮については全面に押し出さず「~ことで困ることがあるのですが、そういった生徒さんはいらっしゃいますか?その生徒さんはどうされていますか」という聞き方をして、話しながら相手の対応を見ていました。

…と、このあたりの話をすると、順調に準備を進めているように見えるかもしれませんが、実際は、やっぱりとにかく突貫工事です。

周囲は4年生からきちんと勉強してつみあげ、過去問をして、補強しながら伸びているなか、うたたね家は砂上の楼閣の突貫工事。

砂だから積み上げても乾くと崩れる。水かけて固めようと思うとかける塩梅で崩れそうになる。あっちが崩れたと思もって砂を積み、こっちが崩れた、と焦って砂を積み…どうにか試験まで山をキープする。という感じ。

ついに迎えた試験本番

結果は、3校受けて3校とも受かり、親がいいのではと思っていた学校ではなく、本人が行きたい学校を選んで進学しました。

結果的に受験した学校には全て合格をいただけましたが、決して中受成功体験記として皆様にお話しできるようなレベルではなく、試行錯誤、行き当たりばったり伴走並走しながらこどもの様子をさぐりつつ走りながら考える、なんとも綱渡りな受験で、一つ間違えば全落ちもあったと確信できるぎりぎり受験だったと思います。

入学後の様子

実際、中学入学後直後には、周囲はこれまでの余力でテストなど余裕だったりするなか、我が家だけ積み上げたものがないので最初の一年は積み上げるために少し大変でした。

ただ、日々の学校生活では診断がないので特別な配慮はないものの、学校の先生方からは「高受がないのでゆっくり育てよう」という気持ちで、おおらかにみていただいている雰囲気があり、基本的な学習環境も整っているので配慮をうけなくともなんとかなっています。

小さいころから好きだった理科の探求を面白がってくださり「できないことより好きなものをやって実績を作ってごらん」といって、協力してくださる雰囲気があるので、担任と専科の先生たちにアドバイスとフォローをいただいて、息子は科学の全国選抜に受かって合宿に参加したり、大学のような研究機関で研究費などにより行われている年間研究プログラムに選抜されて参加したりしています。LDでできないことも多いですし、英語はやはり苦しんでいますが、毎日学校行くのが楽しい!と、充実した中学生活を過ごしています。

今後は、診断をとり、大学進学にむけた合理的配慮実績を作るのが目標です。

入学後思うことは、首都圏の私立中学は偏差値に幅があり、選べるのがありがたいし、高校受験をパスして大学受験にむかえるのが本当にいいな、と。想定の通り、壊滅的になった英語を見て、高校受験を選択肢しなくてよかった。と強く感じています。

中学受験、小6からだっていけます。ただし傾向をつかんで、学校絞れば!

だから「次が新6年だからもう無理…」と思っている親御さんがいらっしゃるなら、お子さんにやる気が少しでもみられるなら「いける!やってみて!」と背中を押したいです。

でも、もし今、低学年のお子さんをお持ちで、私の話を聞いて「んじゃ、6年からで間にあうのね」と思った親御さんがいらっしゃるなら、その方には「じ、じ、時間があるなら計画的に…。塾はやはり餅は餅屋。すばらしいシステムだから通塾も検討して~」とアドバイスしたいな、と思います。

うたたね家の「砂上の楼閣突貫工事親塾ヤマカケ受験」のドタバタ綱渡り記はここまで。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。                 byうたたね


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