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LDっ子の受験報告 #6 にゃー家の中学受験⑤ by にゃー

『LDっ子の受験報告』は、LDのある子ども達の受験体験談をご紹介するコーナーです。合理的配慮のコーナーで載せきれない、さまざまな方の受験までの道のりをご紹介していければと思っています。

今回は、にゃー家の中学受験についての報告(第五回)の6年生後編です。

目次

6年生後編

直前期の受験勉強方法

国語

冬休み前までの受験勉強方法から変更はありませんでした。Z会の「毎日練習ブック」6年生を志望校の出題傾向に沿って解いていました。第二志望群の過去問は一度解いて出題形式を確認する程度でした。ある受験校では苦手だった資料の読み取り問題が必ず出題されていたので、それについては何度か確認しましたが、それ以外の対策は行いませんでした。

算数

冬休み前までの受験勉強方法に加え、第一志望校の過去問を繰り返し解きました。間違えた問題は正解するまで何度も解き直し、解答にかける時間も確認しました。第二志望群の学校の過去問は1、2回分だけ解き、どのように点数を重ねるか、解く順番や確実に得点すべき問題を確認しました。

理科

第一志望校の過去問をひたすら解きました。花の絵などを描く問題が出題される学校だったので、前塾のテキストを使い、花や動物の構造を確認し、描く練習もしました。第二志望群の過去問は一度解いただけで特別な対策はしませんでした。

社会

中貴社さん(X)の直前ドリルを毎日解きました。古い過去問は役に立たないため、出題傾向が近い学校問題を探して1、2年前の過去問を中心に解きました。学校のサイトや四谷の過去問サイト、説明会で配布された資料を活用しました。第一志望校の古い過去問は出題方法を確認するために読み物として利用しました。第二志望群の過去問は一度解いて確認するのみで、特別な対策はしませんでした。第一志望校では公民の出題が多かったため、e-bord(中学範囲)で再インプットし、前塾のプリントでアウトプットしました。社会は問題を読む量が多いため最後まで時間管理に手こずりました。

例外

1月受験校の過去問は、第二志望群よりも丁寧に確認しました。傾向が合っていなかったことと、前受けは1回に絞っていたので、確実に合格してほしかったからです。

塾では、自宅で解いた受験校の過去問の復習や、受験校以外の問題も解いていました。娘は「受験しない学校の問題はできなくてもいいし、受験校の問題は解けるから大丈夫」と謎の自信を持つようになり、その使い方も結果的に良かったです。過去問の傾向が合わない場合でも、役に立つことがあるのかもしれません

1月

前受け校として、点数開示のある地方校の東京受験を選びました。結果は理科の得点でなんとか合格といった具合でした。得意科目を持っていることが心の支えになると感じました。埼玉、千葉受験を避けた理由は合格したとしても通える距離ではないためです。 受験校は面接がある学校が多かったため、STの先生や個別でお願いしている特別支援教育の先生に、面接の練習をしていただきました。STの先生とは一般的な面接での受け答えを、特別支援教育の先生とは受験校に合わせた受け答えを練習しました。練習の副産物として、初対面でも会話がスムーズにできるようなりました。

本番

娘は体力がある方だったため、2月1日から3日の三日間、毎日午前と午後に連続して受験しても、普段と変わらない様子でした。特に2日間は午前午後ともに4教科の連続受験で、1時間以上の移動がありましたが、問題なく対応していました。5日間すべて受験できるお子さんもいれば、集中力を考慮して日程や科目を絞った方が良いお子さんもいます。お子さんに合わせた日程の組み方が大切です。ちなみに、娘は病院の予約を朝早くに入ることが多かったため、満員電車や長時間の乗車に慣れていたことを付け加えます。

昼食場所や保護者が休める場所の確保も重要です。私の場合、学校で用意されていた場所以外に、お気に入りの喫茶店を利用したり、ホテルを1室とって休憩所としました。   ちなみに、4日以降は受験の予定はありませんでしたが、念のためにいくつかの受験校を選んでおきました。ただし、その学校はすべて娘が見学していなかったので、最終手段としての候補でした。 

結果

 第一志望校には残念ながら不合格でしたが、第二志望群の学校には合格しました。そのうちの1校では得点開示があり、確認したところ、予想以上に良い点数を取っていたことがわかりました。第一志望校には届きませんでしたが、娘はその結果を見て「やり切った」と感じており、後悔はあまりないようです。

進学先

合格した学校はどれも通学時間や卒業後の進路が似ていたため、最後まで悩みました。合格した中でも書くことが多い学校は最初に外しました。その後、ネットで情報を再度調べたり、パンフレットを隅々まで確認したり、いろいろな人に相談しましたが、最終的には娘が選んだ学校に決めました。主治医からも「ベストな選択」と言っていただき、安心しました。

なぜ似たような学校を?

体験記2でも書きましたが、再度こちらに追加情報を書きます。第二志望群の中でも志望順位が上だった学校は、第一志望校の関係で2教科の日程かつ2日目以降でしか受験ができませんでした。2教科受験は、国語に不安がある場合、算数次第で合否が決まるため、安全とはいえません。娘は社会(漢字指定が多い場合を除く)と理科では安定した成績を残していました。そのため、確実に1日目に合格を取るためには、4教科で受験できる第二志望群の学校が必要となりました。受験した2教科の学校と4教科の学校では偏差値や校風の違いはありましたが、通学時間や卒業後の進学先は、なぜか似ていました。学校選びの際、LDへの配慮を重視し、校風で決めることをしなかったため、進学先を決めるのに時間がかかりました。

入学してみて

想像していた以上に配慮がスムーズで、娘は楽しい学校生活を送っているようです。Xの中受関連投稿では避けられるタイプの学校かもしれませんが、娘にはその「避けるポイント」が合っていました。その学校が合うかどうかは、お子さんによります。他人の話だけではなく、自分の目で見て学校を選ぶこと、そして何よりお子さんの意見を尊重することが大事だと思います。過敏がある場合、制服も学校選びのポイントになることがあります。たまたま受験した学校の制服は娘の感覚過敏に問題があるタイプのものではありませんでしたが、「別の学校の制服だったらダメだったな」と娘は言っています。

これまでの成績から見ると、娘はおそらく公立中学校では内申を取れなかっただろうと思います。娘の特性上、自主性に関する評価が伸びないことは仕方がないことだと理解しています。しかし、もし内申を気にしなければならない環境だった場合、私も娘もかなり悩んだことでしょう。現在、学校では読み書きについての配慮がなされているためその点を気にする必要がありません。「自主性」に関しては評価に悩むことなく、安心して「苦手だけれど少しずつ改善していこう」と前向きに取り組むことができています。まだ中学生活が始まったばかりなので、これからどうなるかはわかりませんが、現状とても満足しています。

最後に

お子さんに合う進路はそれぞれ違いますが、どの進路を選んだとしても「学ぶこと」は、次のステップに進む上で非常に役に立つと感じました。お子さんに最適な方法も日々変わるかもしれませんし、保護者の方が試行錯誤することも多いでしょう。昨日うまくいった方法が今日は合わないこともあり、時には戻って学び直すことも必要かもしれません。思うように進まない日もあるかもしれませんが、これまで学んだことは必ずお子さんの中に残り、将来の力になると信じています。

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