このページでは、福岡県内にある学校でのLD支援について、Q&Aの様式でご紹介します。
一般の保護者が福岡県庁に掲載の資料を基に情報を集め、自身の体験などを交えて作成しています。すべての学校に当てはまらない場合もありますので、予めご了承ください。また、参考にされる際には最新の情報をご確認ください。(F)
- LD(学習障害)の支援は、通常の学級では受けることができませんか?
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合理的配慮のための申し出をすることで通常の学級でも受けられます。学校へ相談が必要です。
- 合理的配慮の申し出をすれば、必ずLDの支援が受けられますか?
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LDは、なかなか気付かれにくく、怠けていると捉えられてしまうなど、理解も支援も得られにくい現状が全国であります。
たとえ合理的配慮の申し出をしても、費用面や人員不足、過度の支援とならないかどうかの懸念、他のお子さんとのトラブルの懸念(特別扱いするとずるいという声が上がるなど)を理由として断られ、配慮や個別最適な指導が受けられずに学習への気力をなくして不登校になっている子も少なくありません。
福岡県不登校児童生徒支援リーフレット(1) - どのように合理的配慮の申し出をするといいですか?
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家庭で試せる場合には、配慮の前と後でどのような学習変化が見られたかというデータを添えて、子ども本人から伝える事で合理的配慮を受けるための理解がより得られやすく、配慮の申請が通りやすくなった例もあります。
どんな配慮をどのくらいほしいのかを子ども本人に尋ねても、わからないことだらけですぐには答えられません。まずは色んな方法を試して、合う方法を一緒に探していくことで、自ら周囲へ伝えやすくなっていきます。配慮の申請には大きな負荷がかかるため、必ず大人のサポートは必要です。
- 通常の学級以外では、どこで支援を受けられますか?
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福岡県には、LD・ADHDという通級指導教室(以下、通級)の区分があります。支援の実施状況は、自治体や学校ごと、年度ごとの支援体制などによっても異なる場合があります。
- 学校への相談は、どなたにできますか?
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校内の相談先や支援体制は以下の通りです。
校長先生、教頭先生、養護教諭(保健室の先生)、通常の学級(通常級や普通級、交流級とも言う)の担任、通級や特別支援学級(以下、支援級)の担任、特別支援コーディネーターの先生、スクールカウンセラー(SC)、スクールソーシャルワーカー(SSW)。
SC、SSWともに来校される日にちが限られており、事前の予約が必要です。地域の学校を複数掛け持ちしている場合には、すぐには相談ができないこともあります。
就学相談と教育相談に関しては別の記事に書きます。 - 通級へ入級するには、どんな条件がありますか?
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LDの場合は、全般的な知的発達に遅れはなく、聞く、話す、読む、書く、計算する、推論する能力のうち、特定のものの習得と使用に著しい困難を示しており、一部特別な指導を必要とした場合に通級への入級ができます。入級には、申請が必要です。
- 申請をすれば、必ず入級ができますか?
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通級の申請後に、各市町村の教育委員会によって入級が望ましいと判断されると、通級(通級指導教室)+通常の学級で授業を受けられます。ASDの併存があれば支援級(特別支援学級)+通常の学級になることも。通級と支援級の併用はできません。
- 通級へ通えるのは年間どのくらいですか?
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LD・ADHDに該当する通級の児童生徒の場合、年間10単位〜280単位時間までです。
- 通級や支援級へ通える期間はどのくらいですか?
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通級や支援級の利用年数は個々の状況によります。
どちらも希望者の増加で、入級ができなかったり、除籍を求められる事もあるようです。 - どの学校にも通級がありますか?
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通級は全ての小中学校に設置されているわけではありません。子どもが通う学校にない場合は他校へ通う必要があり、送迎が必要です。通級が設置されている学校は、各自治体のHPや福岡県庁の特別支援教育資料等で確認ができます。
福岡県の特別支援教育に関する資料はこちら(資料1)(資料2)
福岡市の特別支援教育に関する資料はこちら(資料1)(資料2)
北九州市の特別支援教育に関する資料はこちら(資料1)(資料2)
北九州市では、全小中学校に特別支援教室(校内通級)が設置されており、在籍校で指導を受けられるようになっています。通級指導担当の先生が巡回してくださる仕組みです。 - 通級や支援級で実際にどのような支援を受けるか、保護者が知ることができますか?
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担任の先生が作成する個別支援計画や個別指導計画へのサインと受け取り、多職種の支援者さんを交えて行われるケース(支援)会議への参加ができます。福岡県庁の資料にも、注意事項に「作成及び活用に当たっては、本人(保護者)の参画が大切であること」との記載があります。
ですが地域や学校により大きく異なるようで、いずれにも参加できないことがあります。 - 通級や支援級で、身近な他の保護者の方と知り合える機会はありますか?
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授業参観などの行事の他、通級・支援級の保護者会や相談会が学校によってはあるそうです。保護者同士の呼びかけにより、学校と交渉して実現したケースもあると聞きました。各地域の保護者向けの研修会や親の会などで知り合えることもあるかもしれません。
- 通級があるのは、小中学校だけですか?
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福岡県には、H30年から通級がある公立の高等学校があります。
現在、県立高校(全95校中)の拠点校は、ひびき高等学校(北九州戸畑区)、博多青松高等学校(福岡市博多区)、明善高等学校(久留米市)、嘉穂東高等学校(飯塚市)の4校。
その拠点校から教員が出向いて指導を行うサテライト校は、大牟田北高等学校(大牟田市)と西田川高等学校(田川市)の2校です。
県立高校の通級に関するリーフレット(資料1)(資料2)(資料3)←NEW - 福岡市立や北九州市立の高等学校にも通級がありますか?
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あります。北九州市立高等学校、福岡市立博多工業高校の2校です。
(北九州市立校は全1校中の1校、福岡市立校は全4校中の1校) - 高校通級は、拠点校やサテライト校に在籍している生徒しか受けられませんか?
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福岡県立も、福岡市立も、それぞれ公立の高等学校に在籍している生徒は、どの学校からでも通級指導を希望することができます。
ただし、県立の在籍校から市立、もしくは市立の在籍校から県立へと渡って、通級指導を受けることはできません。 - (県立高校の場合)高校へ入学後、すぐに通級指導を受けることができるのでしょうか?
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いいえ、現段階ではすぐには受けることができません。
実態を把握する期間や審査の時間を要するため、4月に申請しても受けられるのは9月に入ってからになるようです。
3年生の1学期(7月)まで、受けることができます。 - (県立高校の場合)通級指導はいつありますか?授業の合間に抜けて通うのですか?
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小中学校とは異なり、在籍校の授業がある時間帯にはありません。放課後(18時~最大100分)もしくは、定時制夜間の部などの場合は日中(14時~最大100分)に活動があります。ペースは週1回です。
- 高校の通級指導を受けるには、診断や小中学校での支援実績が必ず必要ですか?
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あると利用の申請が通りやすいとは思うのですが、必ずしもその限りというわけでもないようです。何らかで困っていることがある場合は、在籍中の中学や高校へ相談してみてください。