日時
2026年4月29日(水・祝)
場所
YCC代々木八幡コミュニティセンター
プログラム
― 読み書きに困難のある子どもたちのリアルな進路選択 ―
「高校はどう選べばいい?」
「内申や受験、どう乗り越えた?」
「合理的配慮って実際どうなるの?」
そんな疑問を持つ保護者の方へ💡
本イベントでは、読み書きに困難のあるLDっ子の高校受験を経験した保護者が、実体験をもとにお話しします。

LD・書字障害の子の高校受験|保護者5名のリアルな体験談
「高校はどう選べばいい?」「内申や受験、どう乗り越えた?」「合理的配慮って実際どうなるの?」——そんな疑問に、5名の登壇者(あさこさん・いたばしさん・ケイさん・平田さん・佐々木さん)が自身の経験をもとに答えました。
都立・私立・通信制と、選んだ進路はさまざま。
書字障害・ディスレクシア・DCD・ADHD・ASD・感覚過敏など、複合的な特性を持つお子さんたちのリアルな受験ストーリーが語られました。
「これが正解」ではなく、「うちの子に合った選択肢を探す」姿勢が共通していました。
LD・書字障害の子の高校受験で共通していた工夫と戦略
書字障害の子の高校受験勉強法|内申・提出物との向き合い方
書くことに困難を抱えるお子さんへの工夫は、高校受験においても中心的なテーマでした。
「書いて覚える」「ノートにまとめる」という一般的な学習スタイルが機能しないため、登壇者たちはそれぞれ工夫を重ねていました。紹介された具体的な方法として,
- 漢字の音読み・意味からの連想で覚える
- ワークの問題数を絞り、書く量を最小限に
- 出版社に直接連絡してデジタルデータのワークを入手し、タイピングで解答する形にしたケース
- 授業のノートは写真撮影で代替(本人が周りの目を気にして使えない時期もあった)
- 感想文・振り返りシートが書けないため、担当の先生と個別に代替方法を交渉した
また、内申点に直結する「提出物」の管理が高校受験では大きな課題になるという話が複数の登壇者から出ました。
「ADHDぎみのお子さんは、提出物を出し忘れたことにも気づいていない場合がある」という課題に対しては、先生に現状を直接確認しに行くことや、複数の友人に課題の内容を聞きまくるなどが効果的だったようです。

LD・書字障害の子に合う塾の選び方
塾については「成績を上げる目的だけでなく、情報を買う場所として活用する」という視点が印象的でした。
LDのある子の受験情報は保護者が自力で集めるには限界があり、最新の入試動向や学校ごとの配慮の実績などは、塾の先生から得られる情報が役立つとのことでした。
一方で、「やる気がない子に効果が見えない対策をやらせても逆効果」という声も。先生に具体的に「どうすれば点数が上がりますか」と直接聞くことで、その子に合った具体的な指示をもらうことができたケースも紹介されました。
高校受験での合理的配慮|都立・私立別の申請方法と実例
高校受験での合理的配慮については、「実績がないと申請が通りにくい」という現実が語られました。
中学での配慮の記録・実績を積み上げておくこと、診断書や発達検査の結果をすぐに提出できる状態にしておくことが重要です。
都立高校の入試では、申請書に「配慮を希望する具体的な理由」を記入する必要があります。
「うちの子はこういう特性があり、こういう配慮が必要」と、検査結果や医師の意見書をもとに具体的に記述することで、時間延長・別室受験・漢字の選択問題への変更・タブレットによる読み上げなどが認められたケースが紹介されました。
一方、「全教科に時間延長を申請したら、別室で先生と一対一になる時間が長くなりすぎて本人が疲弊した」という経験から、下のお子さんの受験では効果的な科目だけに絞って申請するという工夫も語られました。
私立高校については、学校ごとに対応が大きく異なります。
説明会で「できることはします」と言われても、実際に中学校を通じて中学校で行われている合理的配慮の内容を伝え交渉すると「それはうちでは無理」と言われるケースもあり、早めに・直接・具体的に確認することの大切さが強調されました。
都立高校入試では、漢字の問いに対して選択肢問題の合理的配慮を受けられることもはじめて知りました!
また、志望校選びに必須のVもぎでも、合理的配慮がされている試験を受けられるんですね~~~。東京すごい。

LD・書字障害の子の高校選び|都立・私立・通信制・専門科の比較
登壇者が共通して大切にしていたのは、偏差値や学校の知名度よりも「その子との相性」でした。
都立・私立の選び方では:
- 内申点の扱いが都立と私立で大きく異なる(都立の一般入試では当日点が重視されるため、内申が低くても逆転できる可能性がある)
- 私立は学校と直接交渉できる分、合理的配慮の柔軟性が高い場合もあるが、学校によって差が大きい。
通信制高校を選んだケースからは、選び方の具体的なポイントも語られました:
- 「通信制」と「サポート校」は別物であることを理解する
- 週何日登校できるか、オンライン学習への対応、レポートやテストのタイピング対応の有無を確認する
- スクーリング(合宿型・通学型など)の形式が子どもに合うかどうかを確認する
- 費用はスクーリング費用・追加コスト含めてトータルで比較する
- キャパオーバーで手厚いサポートが受けられない学校も増えているため、実際に足を運んで雰囲気を確認する
専門学科(職業科)を選んだケースからは、入学後のポジティブな変化も語られました。
普通科では成績最下層だったお子さんが、専門科目の学びを通じて成績が上がり、就職・進学両方の選択肢が広がったという話は、「普通科にこだわらない選択肢」を改めて考えるきっかけになりました。
いずれの登壇者にも共通していたのは、「本人が自分で決めた」という実感を持てることが大事という視点でした。
高校は義務教育ではないため合わなければ転学・退学という選択もできる。だからこそ、親が決めるのではなく、子どもと一緒に話し合って納得して選ぶことが、入学後の学校生活を支える土台になると語られました。
参加者から寄せられた質問
16時から(時間オーバーすみません!)の質疑応答・座談会では、
「癖が強い教科担当者への関わり方(!)」「合理的配慮の申請を中学の先生が動いてくれない場合はどうするか」「読み上げ介助者は自分で見つけるのか」
など具体的な質問が次々と寄せられ、時間いっぱいまで活発なやりとりが続きました。
閉会後も登壇者に話を聞ける時間を設け、直接質問している方もいらっしゃいました。
参加者の感想
- 高校入試の合理的配慮について、具体的に聞けたのがとてもありがたかったです。
- 昨年度も参加しましたが、今回は高校入試と通信制のお話がしっかり聞けた点が良かったです。自分の子どもの進学にも光が見えました。
- 10年前に合理的配慮を受けた長男は、高校・大学・就職へと繋がりました。若い世代の方々の頑張っている様子に胸がいっぱいになりました。
- 中学、高校と参加しました。まだ小3ですが、学校での配慮や支援がこの先の進学にも繋がっていることがわかり、子どもへの支援に自信がつきました。
- うちの子は不登校なので、中学に行けてる子とは状況がだいぶ違うなと思いながら聞いていたので、最後に通信制の話をしてくれた時嬉しかったです。
- LDっ子と言っても色々で、まさにカラフルな子どもたちがいることを想定されて、多角的にお話が展開されていて、とても濃い学びをありがとうございました。一歩先を進む先輩たちの言葉は、どれも沁みました。
- まずこの会場が満席であることに、勇気をいただきました。これだけ頑張っている親御さんたちがいる!その向こうには、ひといちばい頑張っている子どもたちがいる!
- 栄養価の高い情報だらけで、ありがたいことに消化不良気味ですが、ゆっくり我が家流に腹落ちさせていきたいと思いました。
まとめ
「うちの子だけじゃないんだ」「こんな道があったんだ」——そんな気づきが、会場のあちこちで生まれた報告会でした。登壇者の経験は、これから受験を迎える家族への、たしかなエールになったと思います。
都立・私立・通信制・専門科と、選んだ道はそれぞれ違っても、共通していたのは「この子に合う場所を、諦めずに探した」という親たちの姿でした。
内申に悩み、合理的配慮の交渉に心を削りながらも、子どもの「ここなら通えそう」という言葉を信じて動き続けた体験談は本当に参考になるものばかりでした。
LDっ子の高校受験に、決まった正解はありません。
だからこそ、リアルな体験談が何よりの道しるべになるはずです。
次回もどうぞお楽しみに!