品川区の中学生の学校での合理的配慮の報告です。本人の希望を聞きながら配慮の実施内容が検討されていくところが参考になります。
困り感 | 書き |
診断名 | LD(学習障害) |
学年 | 中3 |
自治体 | 東京都品川区 |
本人は配慮についてどう思っていますか? | 配慮は求めているが、周囲にLDのことは知られたくないタイプ |
実施された環境調整 | どの子もタブレットを使ってノートテイクしてよい タブレットの使用と手書きと選択できる環境がある 特定の科目のみ 板書の写真を全員に配布 |
実施された個別の合理的配慮 | タブレットを使ってノートテイクしてよい, タブレットの使用と手書きと選択できる環境がある 作文の作成はWordなどタブレットを使用しても手書きでもよい テストの回答はひらがなでも丸をもらえる 漢字のトメハネハライや丁寧さは注意をされない 板書の写真の提供 時間延長 テストのPC回答 課題のPDF提出 ノート評価を細かく相談(国語) ノートアプリ、スキャンアプリをギガ端末に入れてくれた。 |
配慮の実施のために診断書や医師からの意見書を求められましたか? | 求められていないが、提出した |
どのようにして配慮されるようになりましたか? | 小学校から作文をPCで作成させてもらう、ノートの写しを少なくする等の配慮を受けてきましたが、中学入学時は引き継ぎをされていたはずで、さらに春休み入学式後に面談もしたのに一旦リセット。 「様子見」の期間も長く、中1の1学期はクラス全員にデジタルノートテイクを解禁してくれるなど環境配慮のみで、実質個別配慮はほぼ受けていません。が、本人の書字に対して1学期末に管理職総出のお詫びを受けるような大事故があり、それ以来学校が少し真剣になったように感じました。 その後、日常のささいなものはいつのまにかやってもらえるようになり、試験では社会ではひらがな解答も許可がおります。 「中3になったら高校入試に向けて定期試験をPC回答させてほしい」と、かなり早い時期から学校に伝えていたこともあり、中2の終わりから改めて打診。中3の1学期の定期試験から本人の希望の科目のみPCで回答させてもらいました。 学校のギガ端末に、スキャナアプリとノートアプリを入れるための申請は教育委員会を通しましたが、その他の配慮は学校の管理職がとてもよく出来る方だったので、学校判断ですべて対応してもらえました。 配慮の交渉をする時は、先に一般的な話やよその配慮の事例を持ち出すのではなく、本人の困り感や凹部分を具体的に説明して理解を求め、それに対して有効な事例は一般的にどのようなものがあるか提示する、という流れに気をつけました。 そして本人の負担を理解してもらいたい話もしながら、今の学校の環境で出来る範囲で先生方の負担をなるべく少なく実現できる配慮の方法を模索したい、というスタンスにすることも気をつけていました。 また、中2くらいからは、私も先生方も、本人の希望は何か?ということを意識するようになり、双方、都度都度、かならず本人の意思を確認するように気をつけていました。そのため、大人たちの勝手な思い込みで、本人へ配慮の押し付けにならない環境だったことは非常にありがたかったです。 |
その他 | |
この情報の確認時期 | 2022〜2024年ごろ |
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