カラフルブログはカラフルバードメンバーや知人によるブログです。
地域に広がったカラフルバードメンバーそれぞれに起こったLDにまつわるあれこれを紹介していきます。
LDの対応は地域ごとに、対応する担当の方次第、というところが多く、カラフルバードの記事がストレートに参考にならないこともあるのも実情です。
そういうこともあり、実際に各地の状況をご紹介できる機会にこのブログシリーズがお役に立てればと思います。
一筋縄ではいきにくい合理的配慮についてのお話です。どのように話し合いを重ねてきたか、内容と経過、学んだことをお話いただきました!(F)
はじめに
情緒支援級に在籍しているうちの子は、担当者会議というものがあります。
その会議の中で、読み書きの負担を減らすための支援(合理的配慮)を学校の先生にお願いしてきました。
話し合いの内容と経過
- 担当者会議とは?
子どもの支援の専門職が一堂に集まる -
支援学級の担任、特別支援コーディネーター、相談支援員、放課後デイサービス、保護者などなど支援を受ける本人に関わる人が集まって支援の方向性を決めていきます。
こう書くと、きっと専門性のある話し合いになるんだろうと思われがちですが、全然そんな事はなく、ただ現状を話して終わりだったり、酷いと「支援はできません」と言われたり、保護者としては結構ダメージを受ける事も多々あります。 - 小学1年生で不登校に。
検査結果も元に、支援をお願いしてみたものの・・・ -
子どもが1年生で不登校になり、読み書きの困難さが検査でわかりました。
そのため、学校で行われた担当者会議の日にその検査結果を持って行き、「支援をお願いします」とお願いしたのですが、「まだ1年生だから様子を見ましょう」と言われてしまい、軽く絶望しました。 - 翌年の担当者会議で
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2年生になってからの担当者会議では、「デジタル教科書を使わせてください」とお願いしたら「前例が無いし、低学年は使えません」と言われて、今度はガッツリ絶望しました。
でも諦めるわけにはいきません。SNSで愚痴を喚き散らしながらも、現実世界では特別支援学校の地域支援コーディネーターさんと教育委員会の特別支援の担当者さんに相談し、学校側に確認をとってもらえることになりました。 - 担任を飛び越して、管理職に相談
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そして、今までは担任に支援のお願いをしていましたが、それを飛び越えて管理職に直接お願いをし、無事デジタル教科書が使えるようになりました。ちょうど、校内でICT機器の活用の研修があったことも支援が進んだ一因だったようです。
- 一安心!と思いきや・・・
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そこから少しずつ登校できるようになり、これで一安心と思いきや、3年生になって支援担が代わり、支援が振り出しに戻りました。書きに対しての負担軽減もデジタル教科書の活用も振り出しです。
- 3度目の担当者会議
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なので3度目となる今回は、心理検査と読み書き検査を取り直し、所見を書いてもらい、1年生の頃の検査と比較して伸びている所、困難さが変わらない所をしっかり説明をしました。
さらに、「評価はしなくても良いので子どもに合った支援をしてください」とお願いをしました。学習指導要領を追わなくていい、成績表をつけなくていいと伝えました。これは私自身かなり思い切った行動でした。 - 思い切った行動の理由
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担任は、休みがちなうちの子をどうにかして学習指導要領に追いついてもらおうと、読み書き中心の方法で授業をしていました。でも、うちの子は疲れ切ってしまい、さらに休みがちに。そうすると、登校したらさらにまた負荷の高い授業が待っているのです。
初めは読み書きの負荷を減らすようお願いをしていましたが、読み書き中心の授業をする先生はどうしていいかわからなくなってしまいます。その先生の長年の授業スタイルもあるのでなかなか変えられません。なので、先生を追い詰めている物をとっぱらっちゃお!と思ったわけです。
当然担任は驚いていましたが、本人の負担を減らしつつ先生の負担も減らしたいという思いは伝わったようで、読み書きの負荷を減らす方向で話がまとまりました。易疲労性(いひろうせい) 易疲労性とは、周囲よりも疲れやすいことを指します。 ディスレクシアは、文字の読み書きに困難を感じる状態に加えて、文字や本を読むと疲れやすい(=易疲労)、文字を… - その後の変化
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支援の方向性が決まってからの学校生活がどうなったかというと、デジタル教科書を使っての授業は再開され、書きの負担は前より少なくなりました。ただ、読み書き中心の授業である事はあまり変わりません。笑
ですが、本人の「疲れやすさ」を意識してもらえるようになりました。うちの子も疲れながらも学校へ通うようになっています。私自身も、本人に疲れている様子がある時、休ませやすくなったなと感じています。支援の具体例
- デジタル教科書の活用
- 漢字は、書くことは最小限に。読むことをメインにする。
- ノートの記入は最小限に。記入の下書きをしておく。
おわりに
私は、合理的配慮はお互いの落としどころを探す作業だと思っています。
全てを理解してもらう事はできないし、集団生活であるため限界はあります。なので、それぞれの負担感が同じぐらいになる所がちょうどいいのかなと思いました。3年目でやっと気づいた私の学びでした。(J)