おことわり!
LDの状態は多種多様で、誰一人同じ状態はありません。こちらで紹介するのは、あくまでも「うちの子」の場合の学び方です。ご自分のお子さんにぴったり合う方法ではないことの方が多いと思いますが、学び方の一つの選択肢としてご紹介します。「多様な学び方がある事を知るきっかけになってもらえれば」、「学び方の引き出しが1つでも増えれば」と思って運営しています。その点をご了承のうえ、あくまで参考程度にお読みください。
この記事では、タッチタイピングをお勧めする理由を、Lさんの実践を交えてご紹介します。
タッチタイピングとは、文字を入力するときにキーボードを見ないで前だけを向いて入力することです。ブラインドタッチともいいます。
タッチタイピングって難しそうだけど、どうすればできるようになるの?と悩んでいる方、必見です。
音と指の運動の自動化をめざしましょう。
シングルタスクでやってみる
読み書きの困難さがあると、「音から文字へ」「文字から音へ」の変換の自動化の問題がある場合もあります。
ICTをつかってタイピングできるようになると楽になると聞くけど・・・
ローマ字読みも入らないし、打つのに時間がかかる。
そのうちいやになって音声入力くらいしかできない。
フリック入力もつかれる。
どうしたら?
という相談をよくうけます。
ディスレクシアのおもな原因とあげられる『音韻認識』が弱いと、そもそも見た文字を打ち込もうとすると、打ちたい文字を音に頭の中でかえるから時間がかかる。
それが苦手なのに、しかも音から文字への認識が苦手なのに、さらにローマ字に置き換えてなんて到底できない。
「読む」 「聞く」 「打つ」 「しゃべる」 「考える」を分けてはどうでしょうか?
読む
我が家では大きく引き伸ばしたローマ字表をみながらローマ字で書かれたお手紙をよみながら隠したお菓子をみつけるあそびをしていました。
毎日ね。すると頭の中になんとなくローマ字がはいってくる。
聞く 打つ
次に、見た文字を打つのではなく、聞く。
そして、聞こえた(いわれた)言葉を打ち込む。
はじめは見てもいいけど、フォームポジションをきめて、手元をみないようにして打ってみましょう。
キーボード見ちゃうとそのキーの文字をみて、また音にしようとしちゃうでしょ。
だから見ないで打つのです。
好きな分野の文章を打つ事から始めるとよいでしょう。電車図鑑をつくるとか恐竜図鑑をつくるとか。
我が家の場合、実験レポートは書きやすかったです。フォーマットがきまっているからね。
しゃべる 考える
いきなり作文の練習をするのではなく、体験した事から打つ練習をするとよかったです。
我が家は声に出しながら打っていました。
タッチタイピングができるようになると、頭の中の変換するものが少なくなる分楽になるのです。
さ~よく見て!
横にあるローマ字表をみながら!
なんて、いろいろやることが多すぎるといやになっちゃいますね。
読める漢字も増える
漢字が書けない子でも、文章中にタイピングをして文脈にあわせた漢字を選択できるようになると読める漢字も増えます。
漢字テストだけ練習しても忘れちゃう。文脈からとらえるのが得意なディスレクシアの特色をつかいましょう。手書きより定着しやすくなります。
伝えたいこと
けしてタイピングすることは甘えではないですよ。
タイピングをおぼえると書けなくなる
という先生がいますが、書けずに学びの本質である考える事や伝えることの機会を失っては学習意欲を失ってしまう原因にもなります。
タッチタイピングの方法をおすすめはしましたが、音声入力やフリック入力が合う子はもちろんいます。
成長とともにやり方は変化するので、無理せず楽に感じるものを子どもの気持ち優先でためしてみてください。
ご参考に
- 当時のローマ字表とは違いますが、こちらのサイトのローマ字表を見ながらお菓子探しゲームをしてました。
ちびむすドリルは、無料でダウンロード・プリントアウトできるサイトです。
ちびむすドリル ローマ字表
- DCD(発達性協調運動障害)の特性もある息子の場合は、ipadについているキーボードやタッチ画面上に出てくるキーボードでは練習しはじめの頃は感覚がうまくつかめなかったので、ちゃんと沈むタイプのキーボードがよかったです。
今だと、こんなものもありますね。
わが家もKEY PALETTOを購入してみました。
うちの子もキーボードが沈む感覚を好むのと、キーが色分けされていて、ホームポジションやアルファベットの位置が分かりやすい点、各記号の名前がわかるシール付きなところも喜んでいます。
遊びを取り入れて、シングルタスクで段階的にすすめていった実践例、とても参考になりました!(F)