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書字への拒否感が強い子の文字の覚え方 by J

おことわり!
LDの状態は多種多様で、誰一人同じ状態はありません。こちらで紹介するのは、あくまでも「うちの子」の場合の学び方です。ご自分のお子さんにぴったり合う方法ではないことの方が多いと思いますが、学び方の一つの選択肢としてご紹介します。「多様な学び方がある事を知るきっかけになってもらえれば」、「学び方の引き出しが1つでも増えれば」と思って運営しています。その点をご了承のうえ、あくまで参考程度にお読みください。

一般的な文字の覚え方は読んだり何度も繰り返して書いて練習することが多いと思います。
読み書きに困難があるこの場合、負担が強く勉強に対してのやる気が削がれることがあります。

私が子どもの読み書きの困難に気づいた時にはすでに学習に対する拒否感が強かったため出来るだけ負担の少ない方法を試しました。その中で効果を感じた物をお伝えしていきます。

きくきくドリルstep1

きくきくドリルとは音を聞いて問題に答えるドリルです。どうぶつの鳴き声を聞いて答えの動物を指さして答えたりします。読む書くが必要のない学習になるので特に低学年のお子さんにおすすめです。

子ども落語を聞く

三遊亭遊馬さんの子ども落語を聞いて覚えました。特に寿限無は子供でも覚えやすく、周囲の大人も知っている事が多いので暗唱してみせると褒められることが多く本人の自信になっていったと思います。これは車の中で常に流していました。繰り返し聞くことで話の面白さに気づき楽しんで聞いていました。

このようにまず耳からの情報でも学ぶことができることを実感してもらいました。

そこから徐々に自信を取り戻していきました。

Amazonのオーディブル(サブスクの聞き放題サービス)でこども落語を聞くのもおすすめです。

次に拒否感が減ってきた段階で始めたことはYouTubeでの動画視聴と触るグリフと絵本を使った学習です。

シナプしゅ『あいうえ〜お!の歌』

特に良かったのは、テレビ東京の子供番組シナプしゅの『あいうえ〜お!の歌』です。この曲はひらがなと口の形をデザインした映像が流れます。音と文字の形をマッチングさせながら覚えることができます。また曲調もシンプルで耳に残りやすかったです。

音と形のマッチングができてくると文字を読もうとする姿が見られるようになりました。この段階から感覚を入れた学習に入っていきました。

文字を書こうとすると想起が難しく形が崩れていくタイプだったため、まずは視覚と触覚を使って学習していきました。

触るグリフ

次に導入したのは触るグリフです。触るグリフは文字が浮き上がって印刷されている文字盤です。これを触りながら声に出して読んでいました。余談ですが…触るグリフが合うかどうかわからなかったのでひらがなとカタカナは自作していました。耐水ペーパーにUDデジタル教科書体でひらがなを印刷し、ボンドでなぞり、乾かないうちに鉄道模型用の砂をかけて砂絵状態にし乾かして使っていました。本家触るグリフよりザラザラ感が強くついつい触りたくなる質感でした。ですがなかなか手間でした。漢字は文字が潰れて作れなかったので総合的に考えて触るグリフを購入することをお勧めします。

視覚デザイン研究所『あいうえお でんしゃじてん』

小さい頃から電車が大好きな子でこの本は年中のときからよく読み聞かせをしていました。この本はひらがなが1ページに大きく絵ががれていて、文字の中に線路と電車が書かれています。鉄分濃いめなお子さんはついついなぞりたくなってしまうようなデザインです。「あそぼーい あそのぱのらま あそぼうか」のように繰り返し「あ」を発音する文章もセットになっています。指でなぞって文章を読んで印象に残りやすい様子でした。

指を使うことで書く動作に寄せていき学習の拒否感を和らげていきました。しかしここまでしても家庭では書くことに対して拒否感が強かったため発達障害児専門の塾に入塾することにしました。理解のある専門の方にお願いすることで親子の関係を悪化させることなく学習を進めることができるようになりました。

ひらがなカタカナの習得をしながらも学校は学習指導要領に従って進んでいきます。情緒級でも普通級と学習スピードは同じです。そのためできるだけ書く負担を減らしながら家庭学習に取り組みました。

字を書くのではなく貼るに変えて学習を進めていきました。このシールはQRコードシールです。

これはタックシール答えを書いて用意し、答えを貼っていきました。

漢字は先に下書きをし、同じシールを貼り合わせるマッチングをしました。
シールを使った支援はアナログなので誰でも取り組みやすいのが利点です。これを宿題で行い学校に提出することでテストでも一部シール回答が取り入れられました。
貼って形を覚えてきたら書く動作を取り入れていきました。

薄墨で下書きをし、その上をなぞっていきます。
そうすることで視線移動の負担が減り取り組みやすくなりました。
こうしてスモールステップで文字を覚えていきました。
見たり聞いたり貼ったり触ったりと、様々な方法で楽しく覚えていくことが本人にはあっていたと思います。

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