おことわり!
LDの状態は多種多様で、誰一人同じ状態はありません。こちらで紹介するのは、あくまでも「うちの子」の場合の学び方です。ご自分のお子さんにぴったり合う方法ではないことの方が多いと思いますが、学び方の一つの選択肢としてご紹介します。「多様な学び方がある事を知るきっかけになってもらえれば」、「学び方の引き出しが1つでも増えれば」と思って運営しています。その点をご了承のうえ、あくまで参考程度にお読みください。
我が家の場合、形を思い出す想起に課題があるタイプのようですが、幸いにも音声言語の記憶力はあるタイプです。
そのため、形を言語化し、口で唱えて覚える(口唱法)方法が向いていましたのでその方法を紹介します。
思い出すための記憶のフック、きっかけをつくるための方法です。
一人ひとり合う方法はそれぞれですので、一例としてお読みください。
ここではひらがな・カタカナを覚えた時の方法を書きますが、漢字の場合も結局は同じように覚えることになります。そのため、漢字の学習の前にこの方法で文字が覚えられた体験を得られると、メンタル的にも、学習方略の定着のしやすさとしても漢字にも取り組みやすくなるようです。
50音が書けるノートやプリントを用意します。そこに、なるべく早く書くように子供に言って書かせてみました。
思い出せなかった字は飛ばしてよい、というルールを伝えておき、そのタイムを計って記録しました。
そこで書けなかった文字を練習候補としました。
練習候補となった文字のうち、3-5文字程度を1週間で覚える字としてピックアップしました。
子どもと一緒にその文字の特徴などを確認し、どうやったら覚えやすいかを一緒に考えました。
最初のうちは例示をして、形を言語化するお手伝いをしていきました。
例)セは「フ」書いて「し」
ワは「ウ」の点がないもの
ヲは「フ」書いて「一」
覚え方を決めたら、毎日タイミングを見て子供に聞いて言わせてみました。
言わせるだけで大丈夫です。
例)
「カタカナのセはどう書く?」→子「フ書いてし」
3日目ごろまでは書かずに言わせるだけにしました。すぐに言い返せるようになったころから、一日1回だけ、見開きのノートかプリントにダッシュで1回書かせてみました。
タイムが少しずつ上がってくると思います。
最終的には50音を1分30秒くらいで書けることを我が家は目標としました。
そのころには流暢性も確保できるようになった気がします。
それまでの方法で覚えられなかった経験から、書くことが嫌になって自信を無くしていることが多いと思います。
この方法で覚えられた経験を本人と一緒に振り返り、一緒に喜ぶことも大事だと思います。
学び方が違うだけで、自分も身に着けることができたという経験は、その後の学習への意欲にもつながっていく機会になりました。
注意)冒頭にも書きましたが、子供の特性により合う合わないがあります。耳記憶がいいな、と感じているようであれば一度少し試してみるとよいかと思いますが、あくまでも選択肢の一つとして参考にとどめてください。
(M)
あくまでも、「うちの子の」学び方です!!
合わせて、こちらの漢字編もよかったらご覧ください。
うちの子も、同じようなやり方でやりました!
でも、どれくらい書けるかの確認のためのひらがなを書きの後、「50音表」の読み上げ
(①あかさたな はまやらわ
②あ あいうえお、
②あか かきくけこ、
③あかさ さしすせそ、…以下続く)
をまずはしっかりやってから、書きに入りました。
お風呂でリズミカルに唱えながらとか、無理強いすることなく、とにかく「楽しく」を一番に考えて取り組んだよ!
あとから、北陸大学の河野俊寛先生の講座で知ったんだけど、この読み上げは、「検索しやすいようにする」というのが目的なんですって!
河野俊寛先生と平林ルミ先生のご著書『読み書き障害(ディスレクシア)のある人へのサポート入門』もおすすめです!
スタート時の読みのレベルにもよるのかもしれないですね!
あと、多分この回数や時間、期間とかもその子のその子でまた全然違うと思います。
一人ひとりの特性、性格、状況でのカスタマイズがほんとに大事ですね。