カラフルブログはカラフルバードメンバーや知人によるブログです。
地域に広がったカラフルバードメンバーそれぞれに起こったLDにまつわるあれこれを紹介していきます。
LDの対応は地域ごとに、対応する担当の方次第、というところが多く、カラフルバードの記事がストレートに参考にならないこともあるのも実情です。
そういうこともあり、実際に各地の状況をご紹介できる機会にこのブログシリーズがお役に立てればと思います。
はじめに
私の小6の娘は、読みがとても難しいディスレクシアです。国語の教科書の音読がはじめて読む文章だと、逐次(ちくじ)読みになります。
逐次(ちくじ)読み
ことばを一つ一つひろって読むこと。
発覚した経緯
違和感を覚えたきっかけは、小学校3年生の1学期末の面談で先生から受けた指摘でした。
「家でもっと音読の練習をしてほしい」
と言われました。
夏休みにたくさん練習をしたのですが変わる事はありませんでした。
夏休みが明け、教育委員会に相談。その後、病院を受診してWISC(ウィスク)と音読検査を受けました。
その中で、読み書きに困難さがあると分かりました。実際、『ディスレクシア』と診断されました。
家と学校での支援
少しでも娘のために負担を減らす事が出来ないかと、情報収集をはじめました。まずは私がディスレクシアとは何かを知る為に、本を読み漁りました。
子どものサポートをする上で参考にしてきたおすすめの本は、「主婦の友社 発達障害を持つ子どもの心ガイドブック」です。
紙の教科書に分かち書きをしたり、印刷した教科書のルビ付きデータでの音読を試しました。
他には、4年生の時にデイジー教科書の申請もしました。BYOD端末(iPad)に入れて、読み上げ機能を試しました。
中でも1番良かったのは、デイジー教科書による音声読み上げです。
分かち書き
斜線を引くなどして、ことばとことばの間を区切ること。
紙の本に書き込む方法と、光村図書の国語のデジタル教科書にある『分かち書き機能』を利用する方法があります。
ルビ付き
漢字にふりがながついている。
光村図書の指導者用教科書には、『教科書のルビ付きデータが入ったDVD‐ROMの付録』があります。
個人で購入はできないので、学校の先生が持っている場合は印刷をお願いすることで利用が可能です。また、国語のデジタル教科書にも『総ルビ表示』の機能があります。
BYOD端末
個人で購入し所有している私物の端末のこと。
GIGA端末
学校で一人一台ずつ配布されている端末のこと。
こちらに詳しく載っています
デイジー教科書について
光村図書 教科書のルビ付きデータについて
国語のデジタル教科書の 「分かち書き機能」について 井上賞子先生のnote
4年生の1学期、家での試行錯誤の結果はデイジー教科書での読み上げが効果的だったので、学校でも使用できるようにBYOD端末の持ち込みをお願いしました。ところが・・・導入に立ちはだかる壁が高く、BYOD端末の持ち込み許可が下りませんでした。
そのため、先生に印刷してもらった教科書のルビ付きデータで学ぶという方法に一旦は落ち着きました。カラーテストもルビ付きの用紙にしていただいています。ルビがあると、ないよりも内容が分かりやすくて、漢字の読み方を考えなくても読めるところが助かっているそうです。
その後、なんと!家庭での効果が身を結び、4年生の3学期からはBYOD端末(iPad)の持ち込みが許可されることに。でも、いざ許可されることになったら、本人の拒否感が出てきました。イヤホンの使用が必須となり、クラスでただ一人使うことになるため、周りの子から何か言われることが嫌ということと、目立つことをしたくないというのが理由です。
おわりに
実は、小学校5年生になって、市教育委員会の一括提供によりデイジー教科書がGIGA端末でも使えるようになったのですが、読み上げ機能を使う事が出来ることで学習の助けになっている実感はあっても、やはり使用するのが一人ということで、本人が使用を拒んでいます。思春期だからか周りの目が気になるようです。
親としては、今後その事も含め、本人の負担が無い生活が送れるようになったらいいなと思います。(KT)
ディスレクシアの子どもたちの事を理解しよう支援しようと動いてくださっている自治体なのだなと感じました。
全国的にも少しずつ変わってきているとは思うのですが、「診断があるなら特別にいいですよ」というような事ではなくて、全員が音声読み上げを活用できるような学習環境になっていくと拒む気持ちがやわらぎそうですよね。
例えば、英語のデジタル教科書を用いた学習風景で、どの子もヘッドホンをつけて学んでいる映像を目にしてとても印象に残っているのですが、教科は違っても「ヘッドホン・イヤホンは学校で誰もが使うアイテム」となったらハードルが下がりそうです。
ICTの活用がどんどん進んでほしい・・・!(F)