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読み上げペンでテストを受ける(小学校低学年) by R

おことわり!
LDの状態は多種多様で、誰一人同じ状態はありません。こちらで紹介するのは、あくまでも「うちの子」の場合の学び方です。ご自分のお子さんにぴったり合う方法ではないことの方が多いと思いますが、学び方の一つの選択肢としてご紹介します。「多様な学び方がある事を知るきっかけになってもらえれば」、「学び方の引き出しが1つでも増えれば」と思って運営しています。その点をご了承のうえ、あくまで参考程度にお読みください。

音声読み上げペンの使用に至った経緯

子どもの様子

  • 小学校低学年。
  • ひらがなの拗音(きゃ、きゅ、きょ、などのこと)の読みにも困難がある状況。
  • 『1人でテスト問題を読むにはとても時間がかかるため、読み上げが有効である』という意見書がある。
学校へ相談

最初に学校に相談した時、テスト中に読んでほしい希望がある箇所を担任が読み上げる対応の検討がされました。

メリット
  • 事前準備の必要がない。
デメリット
  • テスト時間や自分で申請しなければいけない。
  • 目の前に常にいるわけではないため、読み上げてもらいたいタイミングのズレが生じる。
  • 同じ箇所の読み上げが必要な場合もある。

実際に行ってみて分かったこと

まず低学年であるため、先生に「〇〇のところを読んでほしい」と自分からの申請は難しかったです。
テストはクラス全体で行なっており、他の子に前述のやりとりや、読めない姿を見られることが嫌だと言う気持ちもあり、テストの日は学校に行かなくなりました。

スキャナーペンの使用を検討

家庭で購入していたスキャナーペン(ペン型のスキャナー。市販の読み上げペン。)だと、自分ですきなところをなぞって読み上げてくれるため、利用を検討し始めました。

メリット
  • 事前準備の必要がない。
  • イヤホンをすれば周囲に音が漏れない。
デメリット
  • スキャナーペンが低学年の子の手には大きすぎてうまく使えない。
  • 縦書きの文章に対応するスキャナーペンの使用にはWi-Fiが必要だった。
  • 学校内のWi-Fiが使えないため、持ち運びできるWi-Fiの持ち込みが必要。
  • Wi-Fiの持ち込み手続きに時間がかかる。
  • 親の経済負担が増す。

検討して分かったこと

そもそも本人がテスト中に読みたいところを上手くなぞれないこと、Wi-Fiを持ち込むデメリットも大きく、導入前に担任と相談して断念しました。

テストを音声化

茨城大学が提供している『ペンでタッチすると読める音声付教科書』の音声読み上げペン(以下、音声ペン)と付属の録音シールを使用して、文章を音声化したテスト用紙でテストを実施しました。
音声ペンは家庭で購入する必要がありますが、音声付教科書と録音シールは無償で提供していただけます。(一本5,500円)

メリット
  • 音声付教科書の利用をしているため、ペンの使い方がすでにわかっている。
  • 低学年でも使いやすい。
  • ペンで録音シールをタッチするだけで音が読み上げられるので簡単。
  • 読みたいところを自分でタッチして、何度でも読み上げてもらうことができる!◎
デメリット
  • 事前に誰かが音声の吹き込み(録音)をする必要がある。
  • 学校用に音声ペンを購入し、一本預けておく必要がある。

実際に行ってみて分かったこと

手軽にできること、本人がテストで実施できることがわかりました。
音声があるテストを行なったことで、配慮があるなしでのテストの結果の点数比較にもなりました。担任も、音声ありなしで同じテストの結果が違うことに驚いていました。

デメリットとして挙げた、事前の音声の吹き込み(録音)は、担任から快く受け入れていただけたので、問題なくテストを受けることができました。

音声録音用シールとペン


①録音シールをタッチ→②吹き込み→③停止シールをタッチ→④番号シールにタッチ(入力音声確認)

試行錯誤の末、低学年〜中学年では『音声(読み上げ)ペンでテストを受ける』という配慮内容におちつきましたが、人の協力がないとできないというデメリットがあるので、今後は音声化されている会社のテストを試すなど、学校の先生方の負荷をどれほど下げていけるか、持続可能な支援での継続ができるか、というところにも焦点を当てていきたいと思っています。(R)

茨城大学の音声付教科書を紹介した記事です。
音声ペンを購入されたい方は、記事に貼られているリンク先の「入手を希望される方へ(外部リンク)」を確認してください。
市販の読み上げペン(スキャナーペン)を紹介している記事です。
現在、縦書きの文章にも対応したWi-Fi不要の商品も販売されています。

(F)

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