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未来を見据えて by k

カラフルブログはカラフルバードのメンバーによるブログです。
地域に広がったカラフルバードメンバーそれぞれに起こったLDにまつわるあれこれを紹介していきます。
今回は、さいたま市の不登校を選択し、未来を見据えて学びを続けることにしたお子さんの報告です。

目次

未来を見据えて

さいたま市の教育の中で不登校を選択し奮闘している娘の話です。
目の前の環境は整っているとは言い難いですが未来に焦点を当てて生きてます。

娘の背景

娘は読み書きのしんどさがあり小1から五月雨登校や不登校でしたが、小4の時に1人1台のタブレットが導入されたことが娘にとって大きな転機となりました。
小4から小6の担任はとても先進的な先生で
【児童が自分らしく学べるところで学ぶことが当たり前】
常にこの姿勢で娘が不登校で自主学習していることを自然に受け止めてくれる方でした。

そしてICTもとても上手く活用出来る先生だったので、娘も小6には復学し楽しく学校生活を終えることが出来ました。
・自宅学習の時はオクリンクを使って勉強したノートなどを提出
・授業はたまにオンラインで参加
・書写は筆ペンで。写真に撮ってオクリンクで提出。
・社会や算数はオンラインで授業に参加しながらアイビスペイントのアプリを使ってノート作成。こちらも写真に撮って提出。

写真は全て小5の時。オンライン授業に少しずつ参加出来るくらいになってきた頃です。iPadは自前です。

この頃の手書きの様子です。算数は書くことで必死なので頭に入ってませんでした。
手書きにしたりiPadを使ったりと模索してます。

いよいよ中学との合理的配慮の交渉の開始

中学入学準備として、6年生の12月に担任の先生と一緒に中学校を訪れ管理職の方とお話をし、入学後に必要な合理的配慮について意見を交わしました。
その後、入学前に保護者だけで数回面談し、合理的配慮の具体的な部分についてじっくりと調整を行いました。

こちらがお願いした合理的配慮です。
⭐️デジタル教科書の利用
⭐️国語の漢字書き取りの課題や漢字テストは他のものにする。
⭐️英単語の書き取りの課題や単語テストは他のものにする
⭐️プリント記入ではなくタブレットで学習し提出
⭐️定期テストは問題用紙と解答用紙は拡大したもの
⭐️社会や理科のテストの解答で漢字指定はひらがな回答を認めてほしい

これに加え
小学校の担任の先生からは授業の取り組み方やご自身の評価の考え方をお話ししてもらいました。

中学からは
⭐️デジタル教科書は難しい→拡大教科書ではどうか?
⭐️他の配慮については問題ない
との回答でした。

デジタル教科書が使えないのは残念でしたが、それでも社会のテストでひらがなが認められたり、漢字や英単語の代わりに別の課題を用意してもらえることが確認されて、本人も少し気持ちが楽になったようでした。

中学入学

4月、いよいよ入学です。
ここから大きな壁にぶち当たっていきました…。

入学してすぐにぶちあたった問題

拡大教科書

とても大きく使いづらい。そもそも字が大きければ読める、そういうわけではなくちょっと見やすいくなる程度。
教科書が大きく教室内に置いておく場所がない為先生に預ける→授業のたびに取りに行く→時間割によっては取りに行くのが大変
結果、娘にとってはメリットよりデメリットの方が大きい

プリント

PDFのため入力出来ない。教科によっては紙しかない。

英単語

代わりの課題を出してもらえない。

合理的配慮の再交渉

教科担任全体に管理職や学年主任と話した合理的配慮の内容が行き渡っていない様子が見受けられたので、親だけではなく子ども本人も同席し、管理職と学年主任、担任と面談し再交渉しました。

拡大教科書→デイジー教科書
プリント→Wordで入力出来るようにする。(教科担任へ周知を徹底)
英単語→教科担任へ周知しミライシードの中のドリルパークを利用

ここまでの形を6月頃までに整えていきました。

デイジー教科書を使ってみて
娘の好みからiPadの iBooksの再生ソフトを使いたいとの希望(さいたま市はdynabook)
自分のiPad持ち込み許可を得るため、校長、教頭、学年主任、担任というフルメンバーの前でiPadでデイジーを使いプレゼンをして許可を得る。
しかしデイジー教科書を使って授業に参加したもののiBooksの場合、紙の教科書とページが違う為に授業で上手く活用できなかった(40人の通常級。個別対応は望めない)

1学期の中間・期末テスト

こんな1学期のおくる中に中間テスト、期末テストを拡大コピーされた問題用紙と解答用紙で受けました。

【社会と理科】
漢字指定問題はなく、ひらがな回答が認められる。
【英語】
単語を問われる問題は無記入。並べ替えなど出来る問題に取り組む。
【国語】
漢字をの書きを問われる問題は無記入。読解や漢字の読みなど出来る問題に取り組む。

拡大問題用紙と解答用紙の感想
・机に対してとにかく紙が大きい。
・そのため非常に扱いづらく、問題用紙をめくるのに時間がかかる
→メリットよりデメリットの方が娘にとっては大きい。

夏休みの課題

【英語】
紙のワークに取り組む
単語の書き取り→ドリルパークに変更

【数学】
教科担任の手作り紙のワーク、そのまま紙に記入

【国語】
紙のワークに取り組む
漢字は未提出を選択(代替はなし)

【理科】
課題なし

【社会】
新聞作り、デジタルや手書き混合

⭐️疲れ果てて「為になった」とは感じにくい状況

2学期に突入

娘の様子がおかしくなり欠席も増えてきました。
本人に確認すると、デイジー教科書、Wordともに使いにくいので使っていないとのこと。
英単語はなし崩しになっていて、小テストも特に代替問題もなく単語テストが行われる。全員が合格するまで終わらないという苦行…。

実は1学期の間、2週間に1度は面談を繰り返し調整をしており、親子ともに疲弊してました。
そして五月雨登校になる中に2学期の中間テストがやってきました。

中間テスト

ほとんど学習が出来ていない状況でしたが中間テストはチャレンジしました。

拡大コピー

本人の希望で普通サイズ

ここだけ変更です。

とうとう漢字指定

社会科で10点分の漢字指定があり、当然娘はひらがなで回答しました。
前もって授業内で10点分の漢字指定があると教科担任(学年主任)から全体に告知があったそうですが、我が家は今までの経緯を踏まえ合理的配慮がされると信じていました。

しかし結果は❌。ひらがなの上に大きく❌が書かれていました。全て正解の内容でした。

すぐに管理職・学年主任・担任と面談をしましたが、最後まで耳を傾けてもらえることはありませんでした。

『これ以上特別扱いを増やしますか?』

教頭の放ったこの言葉は私たち家族の心を折るのに十分なものでした。
娘が常に学校で『特別扱い』的な空気を感じていたのかはわかりません。
でも合理的配慮をしてもらえばしてもらうほど、自分は頑張らなきゃいけない、ちゃんとした成績を取らなきゃいけない、そんなプレッシャーとの戦いだったようです。

自宅学習も滞るようになり、大好きだった数学の思考問題も全く出来なくなり、ボーッと転がって動画を観るだけの日々となりました。

不登校へ

大学の学祭に足を運んだりしていくうちに、中学校の為に勉強をしているわけではなく自分の将来の為に勉強をしているということを思い出し、娘自ら『不登校』を選択しました。
学校に行けなくなったのではなく、自分の為に学校ではない場所での勉強を選択したのです。

今は教科書は使わず、問題集や参考書をデジタル化してiPadで自由に勉強をしています。レポートなどはタイピングしますが、基本はGood Notesに手書き入力です。
手書きでも紙のノートに書くより書きやすいようです。
科目は国語 数学 理科(社会は苦手なので今はやってません)

英語は単語帳のリスニングとスピーキングのみです。

学校との関係

学校とは良い関係を保っています。
学期に数回、娘が担任と学年主任と面談して近況報告もしています。
近況報告する時はiPadを持っていき、いま使っている問題集やGood Noteを見せながら自宅学習の話しもします。
学期末にはそれらをプリントアウトして学校へ提出。
ただ中学はオクリンクを使っていないのでデータ提出出来ませんでした。ここは今後交渉していこうと考えています。最近はSolaルーム登校をする時もありますが、その時は自分のiPadを持参し家庭と同じ勉強をしています。
Wi-Fiが必要な場合はモバイルWi-Fiも持っていきます。

未来を見据えて

合理的配慮が義務化されたとはいえ、まだまだ理解が進んでいるわけではなく、自治体によってはLDの児童生徒が満足のいく合理的配慮を得るのが困難な場合もあります。
そして子ども本人が望めば戦うことも出来ますが、そのあたり簡単にいかないのが思春期だったりします。
なので、我が家のように不登校を選択し未来を見据えて学びを継続する方法もあるのではないかと私は考えています。
学校のテストで良い点を取る為に勉強するのではなく、自分の人生の為、将来の為に勉強はあるのだと娘を通して私自身が学びました。

娘は大学に進学したいという大きな目標を持つことで学びのモチベーションとしています。
『学びたい』をどんな人も持ち続けられる社会になることを願ってやみません。

活用しているさいたま市の機関

Solaルーム(校内教育支援センター)

Solaルームに関しては特にホームページはないようです。各学校に全て委ねられているので学校によって全く運用方法が違います。

さいたま市教育相談室

さいたま市教育相談室

こちらは教育支援センター(旧適応指導教室)だけではなく教育相談室では相談も受け付けています。
お子さんの学校生活で不安があればまずはこちらに電話です。必要に応じて面談があります。

Growth(不登校等児童生徒オンライン支援センター)

さいたま市教育委員会不登校等児童生徒支援センター

オンラインだけではなく、実際に会ってイベントもやったりしています。もちろん参加は自由です。
オンラインでチャットに参加するしないも自由です。

(k)

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